「粘着質」への考察

「わたし粘着質なんです」

「わたし粘着質なんです」
初対面の女性と話していた時のこと
自己紹介の流れからふいに切り出されて
妙に好感を持ってしまった

潔い宣言の仕方に惹かれた
というところもあるかもしれない
でもあらためて考えてみると
粘っこいということは
むしろ長所なのではないのかなと

横綱白鵬の土俵際での粘り腰
ラリーが続くほど、試合が長引くほど
研ぎすまされていく錦織圭
一晩もんもんと粘った末
朝方にいい原稿が書けることもある

里芋もそう。料理する時は粘り気を
わずらわしく思うけど、食す時は
あのねっとり感がたまらない
粘着質万歳! まあ恋愛関係においては
検証の余地ありですが…

〜〜2014.11「フィッテ」「つむぎやの野菜ごよみ」エッセイより〜〜