コロッケは洋食にあらず

つむぎやの宴ではコロッケをよく出す。
「男の和食」という言葉をしばしテーマに掲げる我らだが
コロッケとは洋食だろうか、和食だろうか。

言うまでもなく“和”は「日本の」という意味。
我らの大雑把な感覚でいうと、
小さいときから慣れ親しんできた料理は、
和食にカテゴライズしてもいい気がする。
「日本の日常食」という意味でね。

さて、ここであらためて“和食”というものを考えてみる。
ものとものとを足すこと。
足し算のことを“和”ともいう。
「和音」と言えば、音を足して、調和させること。
そしてお料理にも「和える」という言葉もある。

さらには「なごやか」、「なかよくする」という
意味もあるわけで、ざっと考えただけで
これだけ出てくる、“和”という言葉は、
なかなかに奥深い。

そんな“和”をすべて飲み込んだ料理が
“和食”であると、我らは考えたい。

そういえば宴で、コロッケをみんなでつついて
ホクホクとやっているときは、
まちがいなく「なごやか」な時間だ。

おまけにもう一つ、あらためて気がついたことを。
“和”と“日本”が同義語だと解釈すると、
日本とは、とても美しい国だと思う。
“和”の国の人であることを、我らは誇りに思う。