ショートケーキに鎮座するスイートなルックス。
甘くみずみずしい苺は、幼い頃から特別な存在だった。
ガラスのボウルに牛乳を入れ、苺を浮かべる。
練乳をかけ、フォークでつぶしながらいただくのは、
苺の食べ方の中でも最上級のものだった。
食べ終わりなると、苺味の牛乳の底に、
溶けきれなかった練乳が残っていて甘さが一層濃くなる。
シアワセな気分になると同時に名残惜しかった。
そんな“思ひ出”をまとっているからか、苺を使ったデザートには
いつだってちょっぴり胸の奥を締め付けられる。
さて春も後半戦。そのキュンとさせる、甘酸っぱさを楽しむのだ。
〜〜2012.4 800 for eatsウェブサイト「800ごはん」穀雨より〜〜